[追記]
 はっきりとは確認してないんですが、どうもタン・ユアンティンの件は、長期の休暇を取るためにいったん引退という形を取ったということらしいですね。トップ10の選手はSSPなどについて出場義務があるため、引退の形にせずに欠場するとペナルティを食らってしまうのでそのための仮の引退です。それをBWFは律儀に引退と発表したということのようです。

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 個人的には、4年に1回の五輪をあまり過大視せずに毎年の世界選手権や全英も同じように盛り上がって欲しいのですが、トップ選手たちはやはり五輪後で国際試合からは一区切りをつけることが多いのが現状です。

 彼らの去就については、慌てて不確かな情報を追わなくても今後の大会へのエントリーを見れば引退や新ペア結成などはいずれ分かることだ、と私はのんきに構えていました。

 ところが9月20日にタン・ユアンティン(中国WD、22歳)が引退という驚きのニュースが入ってきました。大慌てでこの記事を書き始めたら、翌日に誤報と判明w
 なんか悔しいんですがせっかく書いたので投稿しときます。

タン・ユアンティン引退は誤報  

 ↑ タン・ユアンティンを引退と報じたBWFのFacebook

 タンとリオ五輪まで組んだ大ベテラン、ユー・ヤンは引退しましたが、今後タンは別の若手と組んで高橋松友の最大の強敵になることが予想されます。
 よく考えたら22歳で引退するわけないんですが、中国女子勢のリオ五輪でのいまいちな結果に絡んで中国協会で何かあったのかと思ってしまいました。人騒がせな…。


[6]Tang Yuanting surprised by news of own “retirement”  - Badzine 2016-09-21

[要約]
・Tencent Sportsによれば、タン・ユアンティン(Tang Yuanting、唐渊渟、中国WD、22歳)は自分自身の引退というニュースに驚いたという。
・タンはリオ五輪後は長めの休暇をとりジャパンオープンは欠場していた。
・中国協会に対して引退や中国代表を辞めることを申し出たことはまったくないという。
・誤報の出所のBWFからは今のところ説明はない。

・今週BWFが引退と発表した中国選手はワン・ツェンミン(MS)、ユー・ヤン、ツァオ・ユンレイ、ティアン・チン(WD)、ワン・イーハン、ワン・シーシャン(WS)の6名。
・しかもこれらの選手は中国代表チームから離れるわけでもなく来年の中国リーグに参戦するので現役引退というわけではない。
・ただしこれまでの経験上、これらの選手は国際試合からは「引退」することになるだろう。


主な選手の去就

 中国勢は上の記事の通り。韓国勢も国内リーグを続けるようです。なので以下で「引退」というのは多くの場合は国際試合からの引退という意味です。

[1]Chong Wei says sorry after heartbreaking final loss - The Star (2016-08-20)
[2]Korean Olympians retire - Badzine 2016-08-19
[3]Rest, rehab, then return in Saina’s future - Badzine 2016-08-22
[4]Badpal 2016-09-07
[5]Tang Yuanting, world #2, quits at 22 - Badzine 2016-09-20

MS

・リン・ダン(中国、32歳) → 少なくとも引退を明言はしていない
・リー・チョンウェイ(マレーシア、33歳) → 少なくとも2017年の世界選手権までは現役を続ける模様[1]
・ワン・ツェンミン(中国、26歳) → 引退[5]
 …バオ・チュンライも引退早かったですし、中国のMS2番手以下はなんか厳しいですね。
・佐々木翔(34歳) → 引退。北都銀行コーチへ。ジャパンオープンで引退セレモニーが行われました。お疲れ様でした。

WS

・リ・シュエルイ(中国、25歳) → リオ五輪で準決勝で前十字靭帯断裂。長期離脱。
・ワン・イーハン(中国、28歳) → 引退
・ワン・シーシャン(中国、25歳) → 引退
・サイナ・ネワル(インド、26歳) → ヒザの手術で4ヶ月ほど離脱。[3]
・ペ・ヨンジュ(韓国、25歳) → 引退[2]

MD

・フー・ハイファン?(中国) → 2016年のSSファイナルズを最後に引退するとされていたが、この大会を欠場し、いっぽうBWFもランキングから除外はしていない。

・早川/遠藤(日本) → 早川賢一が国際試合から引退。遠藤は若手の渡辺勇大と組んで続行の模様。渡辺を前衛として育てるということでしょうね。

・クー・ケンキット/タン・ブンヒョン(マレーシア) → リオ五輪出場はならず、2017年の世界選手権を目指すとされていたが、結局クーは引退へ。代わりにタンはインドネシアのセティアワンと組むこととなった。

・アーサン/セティアワン(インドネシア、29歳/32歳) → ペア解消。それぞれ若手育成目的で同国の3番手ペアと組むことに。アーサンはアングリアワン、セティアワンはサプトロと組む。[4]
→さらにセティアワンは、タン・ブンヒョン(マレーシア)とペアを組むこととなった。

・ イ・ヨンデ/ユー・ヨンソン(韓国、28歳/30歳) → ペア解消。イ・ヨンデは国際試合からは引退しプロとして続行か。ユー・ヨンソンはチャン・イェナと組んでXDを継続の模様。
 …リオ五輪では両ペアとも早い段階で敗退。もう1年現役を続けて2017年の世界選手権で頂上決戦をやってくれませんかね。

・キム・サラン/キム・ギジュン(韓国、27歳/26歳) → キム・サランが以前から痛めていた首の手術で離脱し、そのまま引退になる模様。[2]

・シン・ベクチョル(韓国、26歳) → リオ五輪前に代表を離れている。東京五輪を目指して戻ってくるとのことだったが、結局国際試合からは引退。イ・ヨンデとともに各国リーグに参戦している。

・リー・シェンムー/ツァイ・チアシン(台湾) → ジャパンオープンから判断してペア解消でそれぞれ若手とペアか ?

WD

・ ユー・ヤン(中国、30歳) → 引退
・ ツァオ・ユンレイ(中国、30歳) → 引退
 …それぞれタイトル数42という凄い戦績。
・ティアン・チン(中国、30歳) → 引退
・マー・ジン(中国、28歳) → 引退