現時点では五輪/世界選手権がバド界的に最高峰の大会です。過去の名選手たちも肩書で呼ばれるときはまずは「五輪/世界選手権優勝(○回)」と呼ばれます。リン・ダンならまずは「五輪2回・世界選手権5回優勝」となります。

それにしても桃田が簡単に(簡単そうに見える形で?)世界選手権を連覇してしまったので、ちゃんと負けている試合を含めて動画を集め、私のうろ覚えな感想を付けました(予防線です。私もこれから見直します)。

負け試合も今こそ冷静に見られるというか、味わい深いというか…。桃田もタダでは負けませんので名勝負になっている試合もあります。

対戦成績世界ランキングは2019年世界選手権終了時点のもの。

アンダース・アントンセン(デンマーク) 対戦成績4-1 世界ランキング9位

[負け]2019インドネシアマスターズ決勝
 
2019年世界選手権決勝の相手となったアントンセン。
上記が世界選手権の一つ前の対戦であり、この試合に敗れ対戦成績3-1となっていました。
この試合が念頭にあった人にとっては世界選手権決勝のカードはやや不安だったかもしれませんが、フタを開けてみれば桃田完勝となりました。

この時は桃田が若干無理攻めしたところを、リーチの長いアントンセンに拾われ続け、自分から消耗してしまった感があります。
とは言え受け身に回るにはアントンセンの攻撃力は侮れず、難しいところです。

アンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア) 対戦成績9-3 世界ランキング8位

[負け] 2018年中国常州オープン決勝
 
はっきり言って一番イヤな相手です。
主導権を握りながら攻めることを好む攻撃的な選手です。
彼の爆発的な攻撃力は桃田の守備力を持ってしても余し切れないことがあり、いざというときに一発食らう不安がある選手です。
このときは受け身になるのを嫌ったのか桃田も積極的に攻めましたが、うまく行きませんでした。

安全にいくとすればスタミナ勝ちを狙うことになりますがそれでも不安な相手です
(もっとも2019年の世界選手権は攻撃的なプレーで勝ち、桃田もそれを意識した発言をしているのが明るい材料です)。

シー・ユーチー(中国) 対戦成績4-2 世界ランキング3位

[勝ち] 2018年世界選手権決勝
 
勝ちといえばやはり大舞台2018年の世界選手権決勝での勝ちが大きく、このときも2019年の決勝のアントンセン戦ほどではなかったものの、あっさりと勝利しています。
ちなみにシー・ユーチーの2019年の世界選手権はケガで欠場でした。
2018年全英オープンの決勝の大舞台でも足を捻っており、結構ケガ多めな選手でしょうか。

[負け] 2018ワールドツアーファイナルズ決勝
 
世界選手権から4ヶ月、こちらはやや心配な内容。
シー・ユーチーもギンティンと同様、いざというとき余し切れない怖さのある選手です。

別の負け試合としては2019年のスディルマン杯があります。
この団体戦では中国はシー・ユーチーとチェン・ロンの2枚看板で回し、体力に余力があるユーチーに対し、桃田はフル出場のためスタミナ的に不利がはっきりした負けでした。
なのでどちらかというと上の試合のほうが不安な負けかと思います。

チェン・ロン(中国) 対戦成績3-5 世界ランキング5位

[勝ち] 2018年トマス杯決勝
 
以前の桃田はチェン・ロンにはなかなか歯が立たず対戦成績では負け越していますが、復帰後に関して言えば鮮やかに桃田が勝った試合が多いです。
復帰後はまずアジア選手権決勝でチェン・ロンに勝ち世間を驚かせ、再び迎えた対戦がこの試合です。
身長の高い選手にボディスマッシュはセオリーですが、大変上手く決まっています。終始積極的なプレーでストレート勝ち。復帰後の桃田の実力に間違いなしという太鼓判が押された試合です。

[負け] 2018年フレンチオープン準決勝
 
復帰後で唯一負けているのが上記の試合ですが、この前の週のデンマークオープンに勝ち、バテバテの状態であり、負けた理由は見えやすい試合です。

チェン・ロンを含め中国選手上位によくあるのは、ここぞと狙って調整してきた大会ではまだまだ強いというパターンです。その意味でチェン・ロンもまだ底が知れない感じがありますが、2016年のリオ五輪を勝って以降は「金持ち喧嘩せず」という心境でしょうか。

リー・チョンウェイ(マレーシア) 対戦成績2-2 引退

[負け] 2018年マレーシアオープン決勝
 
リー・チョンウェイ最後の母国オープン。
チョンウェイのキャリア終盤を飾る好ゲームとなりました。
若干気負って桃田が攻めるもゲーム終盤はギリギリ届かない感じです。
真のトップクラス相手にはまだ攻撃力が足りていなかったようです。

リン・ダン(中国) 対戦成績3-1 世界ランキング17位

[負け] 2015年全英オープン準々決勝
 
超レジェンド、リン・ダンとは正面衝突をせずに時代的にすれ違った感があります。
最後の負けは2015年の全英オープンです。
この頃のリン・ダンは全盛期の勢いをまだいくらか残しており、一方の桃田はまだまだ駆け出しの若手でした。
桃田の技術の高さや戦術の巧みさは当時から間違いありませんでしたが、今と比べればひ弱さは否めません。
試合としてはスコア的には競っているものの、リン・ダンの掌中という感じです。
リン・ダンはゲーム終盤まで十分な余力を残して桃田のラリーに付き合い、終盤ペースアップして寄せ付けませんでした。

ヴィクター・アクセルセン(デンマーク) 対戦成績12-1 世界ランキング6位

ジュニア時代からのライバルですが、シニアとなってからは桃田が圧倒しています。
2014年のドイツオープンで負けがありますが、それ以外では負けていません。その動画は無いようです。
アクセルセンも2017年の世界選手権に勝ち、間違いなく強豪ですが、特に桃田相手には相性が悪いようです。
長いラリーに持ち込まれると、どうにも長身を動かし切るスタミナが持たない感じです。
また桃田のバック側(桃田から見て右)へのスマッシュを鮮やかにクロスネットに返されて、攻め手を封じられるシーンが個人的には印象に残ります。

最近では2019全英オープンでの勝ちが大きいですが、公開されていません。
https://www.youtube.com/watch?v=N99YOz_DaJ0

チョウ・ティエンチェン(台湾) 対戦成績9-2 世界ランキング2位

[勝ち] 2018年デンマークオープン決勝
 
現時点でランキングは桃田に次ぐ2位であるが、相性は良い相手です。この時点で5連勝中。印象深いのは上記の試合で、余力を残したファイナルゲーム後半から一気にギアチェンジし勝ちに行く爽快な試合です。

ジョナタン・クリスティ(インドネシア) 対戦成績3-1 世界ランキング4位