Badminton Unlimitedは2年前に始まり、上位選手にはとうぜん優先的にインタビューしているので、上位選手のものを探すとどうしても古いものになってしまうわけですが、あまり気にせず訳すことにします。
ChenLong01
 チェン・ロン(諶龍、Chen Long、1989年1月18日生、右利き、身長189cm)は中国の男子シングルス選手。直近のランキングは2位。

 リンダン・チョンウェイというトップ2に続く若手の筆頭格。数年前には今頃トップ2人は衰えて、チェン・ロンの一強状態になっているという予想もされたところです。この3人がリオ五輪の優勝候補でしょう。

Badminton Unlimited 第12回(2014/03/27に公開)所収。
2014年全英オープンのちょっと後のもの。人柄が伝わってくる良いインタビューです。

要約

・2013年にリンダンが国際試合から退いてから、スーパースター候補の一番手にいるのが中国のチェン・ロンである(※その頃リン・ダンは半引退状態でした。もちろんその後は復帰しています)。25歳(当時)で世界ランキングは2位。

「・8歳か9歳くらいのときにバドミントンスクールが生徒を探していて応募するように勧められた。
・最初は技術に難があったが、しばらくして上手くできるようになった。そんな感じでバドミントンを始めることになった。」

・湖北省荊州市生まれ、12歳で福建省厦門市に、16歳で北京に移りジュニアの代表チームに加入。翌年には代表チームに加入している。

「・2006年に代表チームのメンバーに選ばれた。チームで一番若い選手だった。
・2008年10月には代表のAチームのトライアウトに挑戦したところ、選出された。それ以来ずっとAチームに所属している。」

・代表チームに選出された翌年には世界ジュニアとアジアジュニアに優勝。
・その年からシャー・シュアンザ、リン・ダンらビッグネームと一緒に練習することができるようになった。若い彼にとっての夢が叶った。

チェン・ロン
「・2006年に最初にこの体育館に来たときは特に何がしたいということはなかった。そのときはただ練習をしたいというだけだった。
・練習をしているうちにいつかテレビでしか見たことのないビッグネームの選手たちとこの体育館で練習がしたいと思うようになった。
・最初そういう選手たちと会ったときは少し怖いくらいだった。自分はただのミーハーなジュニアの一選手に過ぎなかったし、コートの脇で見ていて近づくこともしなかった。」

・トップチームに昇格してからも種目は男子シングルスでプレーしている。

チェン・ロン
「・男子シングルスはとても競争の厳しいカテゴリーだ。代表チームやAチームに昇格するためには先に昇格した強い選手たちと競争しなければならない。
・そして昇格するにはそれなりの結果を残さなければならない。
・何年もシングルスの選手として練習し試合に出ているが、ひたすら競争に直面することになる。」

・中国代表には次々と新しい有力選手が登場し、常に成功し続けなくてはならないプレッシャーに晒されている。
・中国はバドミントン界のトップに君臨しているが、それには共通する成功の理由があるという。

チェン・ロン
「・ジュニアからAチームへの昇格への仕組みはとても組織立っているし、チームとしても我々はとても団結している。
・みんな自分の立場に関わらずベストを尽くしてチームとして成功するように貢献している。」

・数多くのトップ選手たち、例えばリン・ダン、ドゥ・ペンユ、ポンサナ、ヨルゲンセンらと戦っているが、その中でも最も厳しい相手はリー・チョンウェイだろう。

チェン・ロン
「・競争が激しいので世界ランク上位8人の誰とやっても勝ったり負けたり、両方の可能性がある。
・リー・チョンウェイとは試合では当たることが多く、準決勝や決勝で今まで何試合もしている。
・彼以外の選手たちも偉大な競争相手だ。」

・最近2014年の全英オープン決勝でリー・チョンウェイと対戦した。
・2012年のオリンピック以来、リー・チョンウェイには負けていなかったが、結果的には試合には敗れた。しかし彼は前向きだ。

チェン・ロン
「・どんな大会でも勝ったり負けたりするのが当たり前のことだ。
・ある相手に必ず勝ち続けなければいけないということもない。
・彼に負けたのは五輪以来初のことだったが、負けるのも悪いことばかりではない。
・ゲームプランを見直したり、改善すべき点を考えたり、どうすればよかったのか考えるよい機会になる。」

・勝ち負けは勝負事に付き物だ。彼がベストを尽くして努力し、楽観的でいられるのはバドミントンへの尽きない愛着によるものだ。

チェン・ロン
「・バドミントンをかれこれ15年以上やっている。
・バドミントンに限ったことではないが何かを5、6年くらい続けていれば誰でもそれが好きになってくるものだ。
・自分も好きでなければこんなに続けられなかっただろう。
・バドミントンへの愛着は増すばかりだ。
・昔はバドミントンが好きなのは自分が強いからであって、調子が悪いときは不満だった。
・今はそういうときでも間違いなくバドミントンが好きだと言うことができる。」

主な戦績

・2012年ロンドン五輪銅メダル
・2014年世界選手権(デンマーク、コペンハーゲン)優勝。
・2015年世界選手権(インドネシア、ジャカルタ)優勝。
・2013年、2015年全英オープン優勝。
(追記)以上はインタビュー当時であり、その後2016年リオ五輪金メダル。

その他優勝多数。

直接対決

vsリン・ダンはこちら
対戦成績は2-8でしかも最近まで勝てていなかった。
もっとも中国若手は1勝もさせてもらえないことが多いですが。

vsリー・チョンウェイはこちら
12-13と拮抗している。

動画

2014年世界選手権(ドロー)
決勝 チェン・ロンvsリー・チョンウェイ


2015年マレーシアオープン(SSP)(ドロー)
決勝 チェン・ロンvsリン・ダン

リンダンにはあまり勝てていませんが最後に勝ったのがこの試合です。

2015年世界選手権(ドロー)
準決勝 チェン・ロンvs桃田賢斗

決勝 チェン・ロンvsリー・チョンウェイ