バドミントン観戦Tips

バドミントンの主に国際試合の情報、観戦に役立ちそうな知識など。リンクはご自由にどうぞ。

2016年06月

 リ・シュエルイ(Li Xuerui、李雪芮)は中国の女子シングルス選手。ロンドン五輪金メダリスト。
 25歳、身長174cm、右利き。直近の世界ランクは3位。
LiXuerui01
Badminton Unlimited第14回(2014-04-10)所収。

要約

・2012年、14トーナメントで決勝進出10回、うち優勝8回。
・ドイツオープンを皮切りに、格式ある全英、インド、中国、そしてもちろん誰もが勝ちたい五輪も優勝し、リ・シュエルイはこの年すべてを成し遂げた。

リ・シュエルイ
「・自分にとってはその結果は予想外なものではなかった。
・厳しい練習を積んできたし、チーム他の選手と同様に出来る限りの努力をしてきた。
・それまではあまり結果が出ていなかったのだが、2012年になって急に良いプレーができるようになってきて安定感も出てきた。
・前より勝てるようになり、それが自信につながって、大きく飛躍することができた。
・そして自分は五輪代表の一員になるチャンスを与えられて、上手く勝ち続けて金メダルを獲ることができた。
・機会を与えられてしかもそれをものにすることができて幸運だった。」

・初のオリンピックで当時21歳だったが、落ち着いて決勝まで勝ち上がった。

リ・シュエルイ
「・決勝進出を決めて、あともう1勝で五輪チャンピオンになれると思うと少し緊張した。
・最初に五輪の会場に来たときは自分には新しいことばかりですべてが興味深かった。
・どうしていいかよく分からなかったが自分にプレッシャーを掛けるようなことはやめようと思った。たぶんそのおかげで決勝まで行けたのだと思う。」

・五輪の前までにすでにトーナメント4勝の実績があった。
・決勝は同じ中国の選手で当時の世界ランク1位のワン・イーハンに勝って優勝することができた。

リ・シュエルイ
「・あの試合のあと最初に感じたのは勝ったことより『これでやっとすべてが終わった』ということだった。
・とても疲れていてやっとこれで休めるということしか頭になかった。
・1日か2日してから五輪チャンピオンになった実感がわいてきた。
・まるで夢の様でこれは本当のことなんだろうかという気分だった。
・いま振り返ってみると何年も一生懸命に練習してきたことへのご褒美だったんだと思う。」

・その後も金メダリストの地位に安住すること無く、中国オープン、香港オープン、SSファイナルに優勝。この年を世界ランク1位で終えた。
・しかしトップに居続けることは容易ではない。
・五輪優勝も単にラッキーだったのではないかという批評に晒された。

リ・シュエルイ
「・単なる一発屋が世間を驚かしたようなものだということも言われた。
・最初はそういう批判は確かに気になった。特に試合に負けたときは酷い気分だった。
・今は精神的に成長して自分の感情をコントロールできている。ベストを尽くしている限り否定的なことを言われても気にはならない。
・いつも自分の良い面を見るようにしている。」

・批判を寄せ付けず前向きであり続けることで、彼女は世界ランク1位と地に足のついた状態を維持できている。
・自信やプロ意識が決して諦めない姿勢や厳しい練習へとつながっている。

リ・シュエルイ
「・真のプロになれたときの感動は大きいが、そうなるにはより多くの努力や練習時間をつぎ込まなければならず、とても厳しい。
・でもそれを乗り越えて、へとへとになるような試合に勝てたときはとても大きな喜びや満足を得ることができる。」

・この2年の活躍で金メダル獲得がまぐれではないことを示した。
・しかし、もしバドミントンを運悪く辞めざるを得ないことになったら辞めることもあるという。

リ・シュエルイ
「・始めた頃はそれほどバドミントンが好きではなかったし、いつも辞めることも考えていた。
・いい結果が出るようになってだんだんとバドミントンが好きになっていった。
・でも世界1位になるとは考えたこともなかった。」

・2年のあいだトップの女子選手であり続けることができたが、それをチャレンジとして楽しんでいる。

リ・シュエルイ
「・世界ランク1位で居られるのも身体的にも精神的にも好調を維持できているおかげだから嬉しい。
・他の選手が世界ランク1位になりたければ自分を倒さないといけないわけだが、すべては自分の頑張りしだいだ。」

主な戦績

・2012年ロンドン五輪優勝。
・2012年全英オープン優勝、SSファイナル優勝。
・その後も年にSSで3、4勝している感じですが、世界選手権はインタノンやマリンに譲り、優勝はありません。

動画

2012年全英オープン
準々決勝 vsサイナ・ネワル(インド)


決勝 リ・シュエルイ(中国)vsワン・イーハン(中国)


2012年ロンドン五輪
準決勝 リ・シュエルイ(中国)vsワン・シン(中国)

音ズレが酷いです。

決勝 リ・シュエルイ(中国)vsワン・イーハン(中国)

素晴らしい試合です。

2016年5月5日の世界ランキング上位25ペアを対象。
赤字はリオ五輪時点の上位8ペア。

身長選手(国[その国で何番手か])
185
184
183カミラ・リタ・ユール(デンマーク[1]) / プティッタ・スパジラクル(タイ[1])
182
181
180
179
178クリスティナ・ペダーセン(デンマーク[1]) / ジュワラ・グッタ(インド[1])
177
176タン・ユアンティン(中国[1])
175
174
173ステファニ・ストエヴァ(ブルガリア[1])
172ツァオ・ユンレイ(中国[2]) / ジュン・キュンウン(韓国[1]) / シン・スンチャン(韓国[1]) / チャン・イェナ(韓国[2]) / 内藤真実(日本[3]) / キム・ソヨン(韓国[4]) / ウーン・ケウェイ(マレーシア[1]) / カルラ・ネルテ(ドイツ[1]) / ヨハンナ・ゴルゾウスキー(ドイツ[1])
171ジョンコルファン・キティタラクル(タイ[2])
170イ・ソーヒー(韓国[2]) / 廣田彩花(日本[4]) / タン・ジンファ(中国[5])
169サプシリー・タエラッタナチャイ(タイ[1]) / プーン・ロクヤン(香港[1]) / アンギア・シッタ・アワンダ(インドネシア[2])
168ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ(インドネシア[1]) / ティアン・チン(中国[2]) / ガブリエラ・ストエヴァ(ブルガリア[1])
167與猶くるみ(日本[2]) / マー・ジン(中国[5]) / マハデウィ・イストリアニ・ニキトゥット(インドネシア[2])
166ユー・ヤン(中国[1]) / セレーナ・ピーク(オランダ[1]) / ユー・ハウォン(韓国[3]) / ツェ・インスエ(香港[1])
165アシュウィニ・ポンナッパ(インド[1]) / ヴィヴィアン・カー・ムン・フー(マレーシア[1])
164高橋礼華(日本[1]) / ルオ・イン(中国[3]) / ルオ・ユー(中国[3]) / イーフィエ・ムスケンス(オランダ[1]) / ゴ・アラ(韓国[3]) / 福島由紀(日本[4]) / ラウィンダ・プラジョンジャイ(タイ[1])
163
162グレイシア・ポリイ(インドネシア[1])
161
160
159松友美佐紀(日本[1])
158
157福万尚子(日本[2]) / 松尾静香(日本[3])
156
155

傾向

 一つハッキリしているのは身長が低いとショートサーブが不利ということです。サーブは腰の高さより低い位置で打たなくてはなりません。相手にプッシュされにくいネットすれすれを越えていくようなサーブは身長が低いと打ちづらくなります。
 女子ダブルスの後衛は高身長であることが重要なようです。男子の後衛は身長が低くてもジャンプスマッシュをすることで鋭角なスマッシュを打つことができますが、女子の場合それはなかなか難しいためでしょう。欲を言えば170くらい欲しいところで、中国勢の後衛は軒並み170以上です。
 女子ダブルス前衛も高身長でリーチがある方が前でシャトルを捕まえやすいので、高いに越したことは無いでしょうが、技術が高ければそれほど問題はないようです。ただしショートサーブを除いてですが。
 

ソース

 ・Wikipdeia英語版 → ニトヤ・クリシンダ・マヘスワリ、グレイシア・ポリイ、ツァオ・ユンレイ、アシュウィニ・ポンナッパ、アンギア・シッタ・アワンダ
 ・Wikipedia中国語版 → シン・スンチャン、イ・ソーヒー、キム・ソヨン、マハデウィ・イストリアニ・ニキトゥット

 ・與猶・福万・福島・廣田 → 再春館公式
 ・松尾 → 日本リーグ公式
 ・内藤 → 日本リーグ公式
 ・他 →  BWFのプロフィール

不明

 若手はまだあんまりデータが出てません。
 ・チェン・チンチェン(中国[4])
 ・ジア・イファン(中国[4])
 ・チェ・ユージュン(韓国[4])
 ・フアン・ヤーチョン(中国[5])

 2016年ユーバー杯はこちら
 2014年トマス杯&ユーバー杯はこちら

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 2年に1度行われる団体の世界選手権、トマス杯(男子団体)の第29回(2016年)大会の動画です。
 中国は男女ともに一強状態でしかも今回は中国開催なので、中国の動画が多めです。
 コート2の動画もアップされています。

 ドローはこちら
 再生リスト:TVコート1TVコート2

 優勝の掛かった試合に勝ったほか、準決勝も要所で持ちこたえ、活躍が光ったビッティングス。

決勝トーナメント

ドローはこちら

決勝


 インドネシアvsデンマーク(結果)
 MS1 トミー・スギアルト - ヴィクター・アクセルセン
 MD1 アーサン/セティアワン - コンラッド/コールディング
 MS2 ギンティン・アンソニー - ヤン・O・ヨルゲンセン
 MD2 プラタマ/スワルディ - アストラップ/ラスムッセン
 MS3 イーサン・モウラナ・ムストファ - H・K・ヴィッティングス

 MSは若手重視で来たインドネシア。決勝はエースのスギアルトを戻したが、若手筆頭のクリスティも外すという選択。
 デンマークはパートナー不在のマティアス・ボーを使っていろいろなペアを試したが、決勝はボーを外し真っ向勝負のオーダー。
 インドネシアは14回目の、デンマークは初の優勝が懸かった試合。

準決勝1


 韓国vsインドネシア(結果) コート2
 MS1 ソン・ワンホ - クリスティ・ジョナタン
 MD1 イ・ヨンデ/ユー・ヨンソン vs アーサン/セティアワン
 MS2 イ・ドンクン - ギンティン・アンソニー
 MD2 キム・ギジュン/キム・サラン - プラタマ/スワルディ
 MS3 ジョン・ヒョクジン - イーサン・モウラナ・ムストファ

 優勝候補中国を倒し意気上がる韓国、もちろん優勝を狙う。中国戦と変わらずほぼベストメンバー。
 インドネシアはシングルス1番手のスギアルトを下げシングルスは完全に20歳以下の若手で固めた。
 ダブルスは2大強国どうし戦力は拮抗していそうだが…。

準決勝2


 マレーシアvsデンマーク(結果)
 MS1 リー・チョンウェイ - ヴィクター・アクセルセン
 MD1 ゴー・V・シェム/タン・ウィーキョン - ボー/コンラッド
 MS2 イスカンダール・ザイヌッディン - H・K・ヴィッティングス
 MD2 クー/タン - アストラップ/ラスムッセン
 MS3 チョン・ウェイフェン - エミル・ホルスト

 2年前は決勝で日本に敗れ涙を飲んだマレーシア、24年ぶりの優勝を狙う。リー・チョンウェイ以外のMS勢がどれだけ頑張れるか。
 デンマークはダブルス1番手ペアと、シングルス2番手ヨルゲンセンを下げて戦う。疲労を考えたオーダーだろうか、これがどう出るか。

準々決勝1

 台湾vsマレーシア(結果) コート2

準々決勝2

 中国vs韓国(結果)
 MS1 チェン・ロン - ソン・ワンホ
 MD1 フー・ハイファン/ツァン・ナン - イ・ヨンデ/ユー・ヨンソン
 MS2 リン・ダン - イ・ドンクン
 MD2 リ・ジュンフイ/ツェン・シウェイ - キム・ギジュン/キム・サラン
 MS3 ティアン・ホウウェイ - ジョン・ヒョクジン

 自国開催で当然の優勝が予想された強豪中国。MD2には19歳ツェン・シウェイと思い切った抜擢。
 対する韓国はほぼベストメンバー。ダブルスでは中国を上回る戦力だがシングルスでの劣勢は否めない。やはり中国が勝ちそうだが…。

グループリーグ

A組

[中国・日本・フランス・メキシコ](ドロー)

  ・A組-1 中国vsメキシコ(結果)
  ・A組-2 中国vsフランス(結果)
  ・A組-3 中国vs日本(結果)
    MS1 チェン・ロン - 佐々木翔
    MD1 フー・ハイファン/ツァン・ナン - 遠藤/早川
    MS3 リン・ダン - 上田拓馬
    MD2 リ・ジュンフイ/チェン・シウェイ - 嘉村/園田
    MS3 ティアン・ホウウェイ - 武下利一

 2年前優勝したとき日本は中国にストレート勝ちしている。当時と比べ今回は田児・桃田の2枚落ちでMSの苦しさは否めない。MDのどちらかは勝ちたいが…。

B組

[インドネシア・インド・タイ・香港](ドロー)

  ・B組-1 インドvsタイ(結果)
  ・B組-1 インドネシアvs香港(結果) コート2
  ・B組-2 インドネシアvsタイ(結果) コート2
  ・B組-3 インドネシアvsインド(結果) コート2

C組

[韓国・マレーシア・イングランド・ドイツ](ドロー)

  ・C組-2 マレーシアvsドイツ(結果) コート2
  ・C組-3 韓国vsマレーシア(結果)

D組

[デンマーク・台湾・ニュージーランド・南アフリカ](ドロー)

  ・D組-1 デンマークvs南アフリカ(結果)
  ・D組-2 デンマークvsニュージーランド(結果) コート2
  ・D組-3 デンマークvs台湾(結果)

 視聴制限が外れました。
 2016年トマス杯はこちら
 2014年トマス杯&ユーバー杯はこちら

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 2年に1度行われる団体の世界選手権、ユーバー杯(女子団体)の試合動画です。
 中国は男女ともに一強状態でしかも今回は中国開催なので、中国の動画が多めです。
 コート2の動画もアップされています。

 ドローはこちら
 再生リスト:TVコート1TVコート2


決勝トーナメント

ドローはこちら

決勝

 中国vs韓国(結果)

 WS1 リ・シュエルイ - スン・ジヒュン
 WD1 ティアン・チン/ツァオ・ユンレイ - ジュン・キュンウン/シン・スンチャン
 WS2 ワン・シーシャン - キム・ヒョミン
 WD2 チェン・チンチェン/タン・ユアンティン - チャン・イェナ/イ・ソーヒー
 WS3 ワン・イーハン - イ・ジャンミ

準決勝1

 中国vsインド(結果)

 WS1 リ・シュエルイ - サイナ・ネワル
 WS1 ワン・シーシャン - プサルラ・V・シンドゥ
 WD1 ティアン・チン/ツァオ・ユンレイ - グッタ/ネラクリヒ
 WS3 ワン・イーハン - ルスヴィカ・シバニ・ガッデ
 WD2 チェン・チンチェン/タン・ユアンティン - ポンナッパ/シンドゥ

準決勝2

韓国vs日本(結果) コート2

 WS1 スン・ジヒュン - 奥原希望
 WD2 ジュン・キュンウン/シン・スンチャン - 高橋/松友
 WS2 ペ・ヨンジュ - 山口茜
 WD2 チャン・イェナ/イ・ソーヒー - 與猶/福万
 WS3 キム・ヒョミン - 佐藤冴香

準々決勝1

 タイvsインド(結果)

準々決勝2

 中国vs台湾(結果) コート2

グループリーグ

A組

[中国・デンマーク・スペイン・マレーシア](ドロー)

  ・A組-1 中国vsマレーシア(結果) コート2
  ・A組-1 デンマークvsスペイン(結果)
  ・A組-2 デンマークvsマレーシア(結果)
  ・A組-2 中国vsスペイン(結果)
  ・A組-3 スペインvsマレーシア(結果) コート2
  ・A組-3 中国vsデンマーク(結果) コート2

B組

[韓国・台湾・モーリシャス・アメリカ](ドロー)

C組

[タイ・インドネシア・ブルガリア・香港](ドロー)

  ・C組-2 インドネシアvs香港(結果)
  ・C組-3 タイvsインドネシア(結果) コート2

D組

[日本・インド・オーストラリア・ドイツ](ドロー)

  ・D組-1 インドvsオーストラリア(結果) コート2
  ・D組-1 日本vsドイツ(結果) コート2
    WS1 奥原希望 - フェビエンヌ・デプレ
    WD1 高橋/松友 - ヘルトリッヒ/カエプレイン
    WS2 山口茜 - ルイゼ・ハイム
    WD2 福万/與猶 - エルファー/カーノット
    WS3 佐藤冴香 - イボンヌ・リ

 欧州の中では強いドイツだが日本が負ける要素はあまり無い。しかもドイツは若返り模索中なのか、ベテラン勢も外れている。

  ・D組-3 日本vsインド(結果)

    WS1 奥原希望 - サイナ・ネワル
    WS2 山口茜 - プサルラ・V・シンドゥ
    WD1 高橋/松友 - グッタ/ネラクリヒ
    WS3 佐藤冴香 - ルスビカ・シバニ・ガッデ
    WD2 松尾/内藤 - ポンナッパ/シンドゥ

 インドはシングルス2枚が強力。普段はシングルス専門のシンドゥが入るポンナッパ/シンドゥというペアも団体戦ならではのもので不気味。しかし日本も奥原・山口が伸びて来ている。余裕を持って勝ちそうに思えたが…。

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