バドミントン観戦Tips

バドミントンの主に国際試合の情報、観戦に役立ちそうな知識など。リンクはご自由にどうぞ。

2016年03月

注:以下の2.2~2.4の内容は2017年までのものです。
2018年からは大きな変更があります。
2.5以下の内容には大きな変更は無いものと思われます。

2018年のカレンダーこちらを参照。

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 試合の種類について大雑把にはこちらに書きましたが、ここではBWFの正式な規定についてです。
 話が長くてしかも細かいんですが、これを見るとある程度スッキリすると思います。

 ただ建前的な部分もあるので、試合の格については「SSファイナルズは全英より上?」とか「バド強豪国だらけのアジアで4年に1回のアジア大会と毎年の世界選手権ならどっちが上?」など、なんか微妙な部分は残ります。
 テニスでは毎年のウィンブルドンが五輪より上のようですが、将来的にはバドも同じように変わって行く可能性もあります。

 それには賞金も関係してくるでしょう。
 BWFトーナメント(レベル1)や五輪には賞金がありません。
 SSなどレベル2以下については以下のように賞金総額の最低限度額があり、その額は毎年少しずつ上げていくように設定されています。
 賞金等についてのまとめはこちら

"GENERAL COMPETITION REGULATIONS第2条 定義"から


2.2 BWFトーナメント(レベル1)
2.2.1トマス杯男子団体の世界選手権
2.2.2ユーバー杯女子団体の世界選手権
2.2.3スディルマン杯男女混合団体の世界選手権
2.2.4スハンディナタ(Suhandinata)杯男女混合団体の世界ジュニア選手権
2.2.5世界選手権個人の世界選手権
2.2.6アイ・レベル(Eye Level)杯個人の世界ジュニア選手権
2.2.7世界シニア選手権シニアの世界選手権
2.3 スーパーシリーズ(レベル2)
2.3.1スーパーシリーズファイナルズ
(Super Series Finals:SSF)
スーパーシリーズの最後に行われる賞金総額500,000USドル以上のトーナメント
2.3.2スーパーシリーズプレミア
(Super Series Premier:SSP)
スーパーシリーズのうち賞金総額が
2015年は500,000USドル以上
2016年は550,000USドル以上
2017年は600,000USドル以上のトーナメント
2.3.3スーパーシリーズ
(Super Series:SS)
スーパーシリーズのうち賞金総額が
2015年は275,000USドル以上
2016年は300,000USドル以上
2017年は325,000USドル以上のトーナメント
2.4 グランプリ(レベル3)
2.4.1グランプリゴールド
(Grand Prix Gold:GPG)
グランプリのうち賞金総額が120,000USドル以上のトーナメント
2.4.2グランプリ
(Grand Prix:GP)
グランプリのうち賞金総額が
2015年は50,000USドル以上
2016年は55,000USドル以上
2017年は65,000USドル以上
2018年は75,000USドル以上のトーナメント
2.5 コンチネンタル(Continental、大陸連盟の)トーナメント(レベル4)
・・・開催国が属する大陸連盟の運営・統括下にあるトーナメント
2.5.1インターナショナル・チャレンジ
(International Challange:IC)
コンチネンタルシリーズのうち、賞金総額が
2015年は15,000USドル以上
2016年は17,500USドル以上
2017年は20,000USドル以上
2018年は25,000USドル以上のトーナメント
2.5.2インターナショナル・シリーズ
(International Series:IS)
コンチネンタルシリーズのうち、賞金総額が
2015年は5,000USドル以上
2016年は6,000USドル以上
2017年は8,000USドル以上
2018年は10,000USドル以上のトーナメント
2.5.2フューチャー・シリーズ
(Future Series:FS)
コンチネンタルシリーズのうち、賞金総額が
2015年は5,000USドル以下
2016年は6,000USドル以下
2017年は8,000USドル以下
2018年は10,000USドル以下のトーナメント

2.6 ジュニア・トーナメント

 開催国が属する大陸連盟の運営・統括下にあるトーナメント。

 2.6 ジュニア・インターナショナル・グランプリ
 2.6 ジュニア・インターナショナル・チャレンジ
 2.6 ジュニア・インターナショナル・シリーズ
 2.6 ジュニア・フューチャー・シリーズ

2.7 その他の国際的な性質を持つ大会

 1国を超える範囲のタイトルを冠したすべてのトーナメント、例えば

 ・アジア選手権
 ・欧州選手権
 ・世界大学大会(World University Games)

2.8 マルチスポーツ大会(Multi-Sport Games)

 バドミントンを含む複数の異なるスポーツが行われる公的な国際大会、例えば

 ・オリンピック
 ・アジア競技大会(※4年に1回のアジア版のオリンピック)
 ・コモンウェルス・ゲームズ(※4年に1回のイギリス連邦諸国の大会)
 ・パン・アメリカ大会

 ※他に東南アジア競技大会(SEA Games、2年に1回東南アジア10ヶ国による大会)

2.9 メジャー・トーナメント(Major Tournament)

 あるメンバー協会(Member Associacion)が他のメンバー協会のトップランクの選手計3名以上のエントリーを受け付ける場合、そのメンバー協会の管轄下にあるすべての大会。

 2.9.1 「トップランク(Top-ranked)」とは「トーナメントが行われる前3ヶ月以内のすべての有効なBWFランキングリストの上位25位まで」と定義される。

2.10 招待試合

 賞金の有無に関わらず、ある大会またはその他の試合で、第10条(※招待の規定)により、他のメンバー協会から招待したトップランクの選手3名以上を含むものすべて。
 (※コペンハーゲン・マスターズなど)

2.11 国際シニアトーナメント

 2.7に定義されたもの以外で、冠するタイトルやプロモーション活動がある年齢制限以上の選手の国際的なエントリーを意図したもの。

2.12 エキシビションマッチ(Exhibition Matches)

 タイトルや賞金を争うか否かを問わず、エキシビションやデモンストレーションの試合を含むプログラムのうち、他のメンバー協会から3名以上のトップランクの選手を招待するか1,000USドル以上の謝礼を受け取る選手を含む試合。BWFの許可のもとで特別な分配を行ってもよい。

2.13 国際試合(International Matches)

 メンバー協会間におけるすべての試合。
 (※交流戦など)

2.14 国内選手権(National Championships)

 賞金が出るか否かを問わず、どのような性質のものであれ、エントリーがその国の市民や居住者に制限され、当該メンバー協会が採用する規則の下に行われるすべての大会。
 (※例として全日本総合)

2.15 その他のトーナメント

 2.2~2.15に定義された分類に当てはまらない試合のすべて。メンバー協会による国内リーグはBWFの認可を必要としない。
 (※例として日本リーグほか各国リーグ)

ソース

Regulations
http://bwfcorporate.com/regulations/

(.pdf)General Competition Regulations (GCR)

 ラチャノック・インタノン(Ratchanok INTANON)はタイの女子シングルス選手。2013年、18歳で世界選手権に最年少優勝。


画像はBWFのプロフィールから。


シリーズ第112回所収。
2016年のBadminton Unlimitedの動画リストはこちら

Intanon Ready for Battles Ahead -  BWF公式 2016-03-01

[要約]

2013年世界選手権(中国・広州大会)優勝について。

R・インタノン
「・世界選手権に優勝したときは泣いてしまったが、それは単にチャンピオンになったからではない。厳しい練習と、家族が私のために犠牲にしてくれたことのおかげで夢がかなったからだ。
・会場には中国人だけではなく、自分を応援しにタイからサポーターが来ていたが、彼らをがっかりさせずに済んでよかった。
・私はまだ18歳だったが、会場の中国人に自分がファイターであり、自分の勝利への意思が強いこと示せた。」

・全英オープンで2016年のスーパーシリーズが始まり、カロリナ・マリンやサイナ・ネワルに注目が集まる中、第6シードのラチャノック・インタノンは静かなうちにも楽観的だ。
・先月の地元でのタイ・マスターズ優勝は今後に控える大きな試合の準備として完璧だった。
・彼女は今年のそれらの大会で活躍できると信じている。
・全英では緒戦は中国のスン・ユ、続いてスコットランドのカースティ・ギルモアか日本の山口茜、準々決勝ではカロリナ・マリンと当たることが予想される(※結果はスン・ユ、山口に勝ち、マリンに負けました)。

・女子シングルスは競争が激しくなっておりチャンピオンになることが難しくなっているという。

R・インタノン
「・今では中国選手でさえ一回戦負けがありえる。
・日本、インド、韓国などには新しいスター選手やレベルの高い選手たちがいる。
・私たちは今では中国選手に勝つことができる。
・女子シングルスはとても競争が激しく世界ランキングのトップ10はいつも入れ替わっている」

・予想もされなかった2013年の世界選手権優勝のあと、長いあいだ勝利から離れていたが、昨年ついにアジア選手権で優勝を果たした。
・決勝ではリ・シュエルイに2点のマッチポイントを許したがそこから逆転して勝利した。
・彼女はその試合を鮮明に覚えている。

R・インタノン
「・相手が第1ゲームを取り、第2ゲームも20-18でリードしていた。
・そのときコート脇でスタッフが表彰式の準備を始めたのが見えた。
・私は『試合はまだ終わってないのに何を急ぐの』と思った。
・『まだ終わってない』と自分に言い聞かせ、第2ゲームは勝つことができた。
・第3ゲーム、相手が疲れ始めたのに気づいたので、体力を奪う戦略で行くことにした。
・ラリーを長くし、より大きく打ち、自分からミスすることはできるだけ減らした。
・それがうまくいって、優勝することができた。」

・それから1ヶ月後のインドネシア・オープン(SSP)も優勝し、大きなタイトルを十分取れる位置にいることを示した。
・マリンや奥原希望のような選手の影で彼女の活躍もやや霞みがちだが、五輪を狙う重要な選手の一人であることに疑いはない。

・2012年のロンドン五輪ではあと数点のところでメダルにわずかに届かなかった。
・それが長い間不満の種であり、その不満をリオで晴らしたいと思っている。

R・インタノン
「・バドミントンを始めて以来、最悪の経験をしたのが前回のオリンピックだった。
・準々決勝(※相手は中国のワン・シン)でリードしていたところから逆転負けし酷い気分だった。勝てたはずだった。
・負けた後、メディアやニュースレポーターがタイから来ていたが、彼らがインタビューしに来た時に、私は泣き出してしまった。

・今度の五輪はどの選手にもチャンスがあり、メダルを取るのはとても難しい。
・それでも私はメダルを取る力があり、いいポジションにいると信じている。
・大事なことは強い自信を持ち続けることだ。
・自分は勝つと信じ続けることができれば、私は勝つだろう。」

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2013年世界選手権WS決勝
ラチャノック・インタノン(タイ)vsリ・シュエルイ(中国)


2015年インドネシアオープンWS決勝
ラチャノック・インタノン(タイ)vs橋本由衣(日本)
 

 試合情報やランキングについてはもっぱらトーナメントソフトウェア(tournamentsoftware)というサイトが頼りです。過去の試合データやライブスコアもあります。
 基本的なことはお分かりかと思いますが、多少細かい話もありますので説明します。

トップページ
http://www.tournamentsoftware.com/tournamentlist.aspx?id=2
 Most visited(よく見られているページ)というタブをクリックすれば、だいたい最近の試合の一覧になります。

2015年のジャパン・オープンを例にします。

Matchesのタブ

その日ごとに行われた試合の情報が載っています。下の図は12日の準決勝
ts-japan-open-02
タブの意味はそれぞれ
・Organizetion → 開催組織など
・Seeded entries → シードの一覧
・Events → 開催される種目
・Draws → ドロー
・Matches → その日ごとに行われた試合の一覧
・Players → エントリー選手一覧
・Winners → 優勝者一覧

まあドローとマッチくらいしか大して見ないですよね。


右上にこの表示がある試合は、これをクリックすれば試合中にライブスコアを見ることができます。ただしマイナーな試合だと無い場合もあります。

Drawsのタブ

ドローについてです。
MS~XDとその予選(Qualification)が載っています。

以下はよく見る略号や用語などです。
トーナメントソフトウェア以外で使われるものもあります。

・種目の略号
略号英語種目
MSMen's Singles男子シングルス
WSWomen's Singles女子シングルス
MDMen's Doubles男子ダブルス
WDWomen's Doubles女子ダブルス
XDmiXed Doubles混合ダブルス

・トーナメントの略号
R64世界選手権やスーパーシリーズのMSなどで参加者が多く64人(ペア)参加のトーナメントの場合の1回戦。
R32
64人参加なら2回戦、SSの通常の場合など32人が参加するトーナメントではR32が1回戦。
R16
64人参加の3回戦、32人参加の2回戦。
QF
(Quarter Final)
準々決勝決勝のQuarter(4分の1)だから。
SF
(Semi Final)
準決勝文字通り、準・決勝。
F
(Final)
決勝なんかそっけないですがFだけの場合も結構あります。
もちろん1~3回戦はR1(Round1)、R2(Round2)、R3(Round3)…のように表示されることもよくあります。

・ドローの中でよく見る用語、略号
用語、略号意味
Byeもともと対戦相手が組まれていない場合の不戦勝。
Retiredリタイア。ケガなどで試合中の棄権。
Walkover相手が試合前に棄権したので不戦勝。
[PFR]
Promoted From Reserves
予選に空きができたのでリザーブから予選に持ち上がり。
[PFQ]
Promoted From Qualifiers
本選に空きができたので予選から本選に持ち上がり。
[WDN]
Withdrawn
試合前の棄権。代わりが決まるまで、または代わりが入らなかった場合、この略号が付くようです。その場合、対戦相手は不戦勝(Walkover)になります。
[1] など[数字]シードの順位。
[Q]
Qualified
予選突破して上がってきた選手に付きます。

・公式サイト
http://www.nzbadmintonopen.com/

・ドロー等
http://www.tournamentsoftware.com/sport/matches.aspx?id=2F65CB03-F736-4C3E-A3BB-86ED37264EC6

・日本人出場者
MS 武下利一、坂井一将
WS 今別府香里、橋本由衣、川上紗恵奈、大堀彩、星千智
MD 佐伯祐行/垰畑亮太、井上拓斗/金子祐樹、保木卓朗/小林優吾
WD 福島由紀/廣田彩花、米元小春/田中志穂、松本麻佑/永原和可那、東野有紗/篠谷菜留
XD 小林優吾/福島由紀、井上拓斗/篠谷菜留、金子祐樹/星千智、渡辺勇大/東野有紗

・動画
New Zealand Badminton Open
https://www.youtube.com/channel/UC50Toili0kaEp7lZmb41pgA/feed
BWF
https://www.youtube.com/playlist?list=PLA7ZcagI0frBrTkZZqrYzfcLYvO1-FWVe


・次週
2016年第13週 インド・オープン(SS)
http://www.tournamentsoftware.com/sport/draws.aspx?id=B0BE4A8A-DD7C-4C88-A745-42D3D22ADEE8

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