バドミントン観戦Tips

バドミントンの主に国際試合の情報、観戦に役立ちそうな知識など。リンクはご自由にどうぞ。

2016年01月

その1 / その2 / その3 / 補足

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最新のBWF世界ランキング

http://bwf.tournamentsoftware.com/ranking/ranking.aspx?rid=70
http://bwfbadminton.com/rankings/

・↑内容は同じなので好みの方をお使いください。以下では上の方を使って話を進めます。
・毎週木曜日に更新されます。

 下の画像は2016年1月21日時点のMS上位10人のランキングです。
↓サムネ、クリックで拡大。
MS-WR-2016-01-21

要約

・ランキングは獲得ポイント(Points)の高い順です。
・上の画像で3位には74853ポイントの桃田が入っています。
・Tournamentsの15というのはこの1年に出場したトーナメントの数。
・Japanをクリックすると日本人選手のみがランク順に表示されます。

・獲得ポイントはどう決めるのかというと、大会ごとに例えばSS優勝は9200ポイント、準優勝は7800ポイント…のように決まっているので、それらを合計します(具体的な数値についてはパート2参照)。
・合計するのは過去52週間(要するに1年)で出場した大会のうち、ポイントの高い上位10試合のものです。
・出場したのが10試合以下の場合はぜんぶ合計します。
・ダブルスの選手はペアの交代などもあってちょっと複雑な計算が必要な場合があります。


具体例

2016年1月21日時点の桃田のランキング履歴を参考に説明します。
momota-ranking-history2
 桃田が過去1年で出場した15のトーナメントが新しい順に並んでいます。
 Resultは試合結果で1が優勝、2は準優勝、3/4は準決勝で負けて3位…といった具合です。
 そのうちポイント合計の対象になるのはポイントが高い10試合です(右にが付いてます)。
 その合計は74853(四捨五入)でこれがランキングの決定に使われています。
 92852.74というのは15試合ぜんぶの合計です。

 合計ポイントを上げるには10試合のうち一番低い中国オープンの4320を上回るポイントが必要です。
 また2016年第10週(3月)には1年前の全英オープンの6050ポイントが失効します。

 仮に全英に出場せずにポイントがゼロだとすると、使われていない他の試合のうち一番高い3600ポイントが加算されます。その結果74853-6050+3600=72403となります。
 仮に全英を優勝すると、6050が失効する代わりに11000ポイントが入るので、74853-6050+11000=79803となります。

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桃田のランキング履歴はこちら
他の選手の履歴も世界ランキングのプロフィールから見られます。
トーナメントソフトウェアの見方(ランキングとプロフィール)を参照。

その2へ続く。

その1 / その2 / その3 / 補足

マレーシア・マスターズ(GPG)
http://www.tournamentsoftware.com/sport/matches.aspx?id=C25E58BA-9DC6-4161-B20A-16FD377EDD0D

日本人出場者
MS 佐々木翔、上田拓馬、武下利一、西本拳太
WS 佐藤冴香、今別府香里、三谷美菜津、橋本由衣、川上紗恵奈、山口茜
MD 平田典靖/橋本博且、園田啓悟/
嘉村健士、佐伯祐行/垰畑亮太、保木卓朗/小林優吾
WD 高橋礼華/松友美佐紀、松尾静香/内藤真実、與猶くるみ/
福万尚子、福島由紀/廣田彩花、米元小春/田中志穂、松本麻佑/永原和可那、柏原みき/加藤美幸
XD 
数野健太/栗原文音、園田啓悟/福万尚子、垰畑亮太/米元小春、小林優吾/福島由紀

BWF動画
https://www.youtube.com/playlist?list=PLA7ZcagI0frBaY9nlvcj0S16JmY9PtQz1

注:以下の「国際試合の種類」は2017年までのものです。
2018年からは大きな変更があります。
2018年のカレンダーこちらを参照。

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・各試合から入るランキングポイントについてはこちら
・BWF公式の細かい分類についてはこちら

種目

種目
略号英語
男子シングルスMSMen's Singles
女子シングルスWSWomen's Singles
男子ダブルスMDMen's Doubles
女子ダブルスWDWomen's Doubles
混合ダブルスXDmiXed Doubles

 この略号はよく使われますね。
 当ブログでも断りなく使います。

 格の上下を言えばやっぱり一番強い個人を決めるシングルスが格上ですし、能力的にシングルスで脱落したのでダブルスに行くという傾向も確かにあります。

 しかし人気の面ではダブルスもシングルスに迫るほど人気があります。テニスや卓球ではシングルスのほうがずっと人気があると思いますが、バドはそれらに比べるとシングルスとダブルスには格差がありません。

 じっさい賞金は5種目にほぼ平等に分配されます(と言ってもダブルスは2人で分け合うのでシングルスの半分ほどになるわけですが。ただしダブルスとミックスダブルスを兼任して両方で勝ち上がり、シングルス並の賞金を稼ぐ選手もいます。)。

 社会人クラブなどではダブルスをやることの方が圧倒的に多いです。理由は、年取ると体力的にシングルスをやる気力が出ない(^_^;)、シングルスで1面を2人で専有するより4人で使うダブルスの方がいい、単純に展開が速くて面白いから人気がある、などでしょうか。


国際試合の種類

個人戦

オリンピック4年に1回。
バドにとってはやはり現状はこれが最高峰。
世界選手権オリンピックの年を除いて毎年開催。
その年の最高格の試合。
アジア大会(個人戦)4年に1回のアジア版オリンピック。
アジアではバドが盛んなこともあり、格が高いタイトルと見られている。
個人戦だけでなく団体戦も行われる。
スーパーシリーズ
(全12試合+ファイナル)
スーパーシリーズ・プレミア(SSP)スーパーシリーズのうち賞金の高い上位5試合。
中でも100年を超える歴史がある全英が最高峰で、テニスで言うところのウィンブルドン(ただしバドの場合は五輪などの方が現状は格上と見られる)。
他に中国、インドネシア、マレーシア、デンマークと強豪国での大会が並ぶ。
スーパーシリーズ(SS)年7試合。
ジャパンオープンはこの格。
テニスでは格の高いフランスやオーストラリアも今のところはこの格。
最近盛り上がりを見せるインドもここ。
他に韓国、シンガポール、香港。
スーパーシリーズ・ファイナルズ(SSF)SSの結果を集計したランキングの上位8人/ペアによるファイナル。
年末にアラブ首長国連邦のドバイで開催。
グランプリグランプリ・ゴールド(GPG)2016年は全14試合。
SSのすぐ下のクラスで将来SSに出てくる若手などが活躍してなかなか面白いクラス。
動画もよく出回り、BWFも公式に配信している(ただし日本では制限されることもある)。
2016年は五輪出場のポイントを稼ぐため4月まではメンツもやや豪華。
USオープンは今のところこの格。
グランプリ(GP)2016年は全年7試合。
GPGに比べると途端に扱いが悪い。
あまり動画も出回らない。
インターナショナルインターナショナルチャレンジ(IC)このクラス以下の動画は一部を除いてなかなか出回らないので、スコアを見て想像するしかないことが多い。
インターナショナルシリーズ(IS)同上。
フューチャーシリーズ(FS)同上。
アジア選手権、ヨーロッパ選手権ほか5つある各大陸連盟主催の大会。
ランキングポイントの扱いでは、アジア選手権はSS、ヨーロッパ選手権はGPGと同じ格とされる。[※1]

団体戦

トマス杯/ユーバー杯2年に1回の団体戦の世界選手権。
男子がトマス杯、女子がユーバー杯。
男女それぞれシングルス×3、ダブルス×2の団体戦。
2014年大会は日本男子が優勝したことで話題となった。
スディルマン杯男女混合の団体世界選手権。
2年に1回、トマス杯・ユーバー杯が無い年に行われる。
MS~XDの5種目で争う。
アジア団体選手権/欧州団体選手権、ほか各大陸連盟の団体戦。ト杯・ユ杯の予選を兼ねる。
男女それぞれシングルス×3、ダブルス×2の団体戦。
アジア大会(団体戦)4年に1回のアジア版オリンピックだが、団体戦も行われる。
男女別でそれぞれシングルス×3、ダブルス×2の形。

 以上は主要なもので、他にコモンウェルスゲームズ(4年に1回イギリス連邦諸国の大会)、東南アジア大会(2年に1回東南アジア10ヶ国の大会)にもバドミントンが含まれる。

[※1] ランキングポイントの扱いは
アジア選手権 → SS
欧州選手権 → GPG
オセアニア選手権 → GP
パンアメリカ選手権 → GP
アフリカ選手権 → IC

ソースは
Regulations | BWF Corporate
Appendices – General Competition Regulations (GCRs)
(.pdf)GCR Appendix 6 – World Ranking Systemの6.6

 ワン・シャオリー/ユー・ヤンはこの数年は頭一つ抜けた女ダブ最強ペアと見られていた。しかしワン・シャオリーがヒジのケガのため中国代表から引退という情報。
 本人のweibo(中国版twitter)こちら
 ↑ 2016年5月、中国で開催されたトマス杯・ユーバー杯でファンにサインをするワン・シャオリー(左)とワン・リン。

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Wang Xiaoli retires (2015-12-14)

[要約]
・ワン・シャオリーは26歳、2015年はヒジのケガに苦しんだ。
・5月のスディルマンカップは欠場しその数日後に手術を受けた。
・その3ヶ月後の世界選手権には出場できたものの、中国2番手ツァオ・ユンレイ/ティアン・チンに準々決勝で敗れている。

Sports Sinaに語ったところでは
「・手術後の回復状況は思わしくなく代表の練習について行くのに苦労している。
・世界選手権後に引退を考えるようになった。
・自分が抜けることで代表ペアの組み合わせもしやすくなると思う。
・コーチや家族と話し合い引退を決意した。」

・ワン・シャオリーはマー・ジンと組み2006年の世界ジュニアで優勝。
・その後、代表チームに加入し大きな国際大会で何度か勝っている。
・さらに大きな飛躍を遂げたのは2010年にユー・ヤンと組んでから。
・ワン・シャオリー/ユー・ヤンは国際大会を勝ちまくり、最初の4ヶ月で5度のスーパーシリーズ優勝とアジア大会で準優勝。
・2011年にはメジャータイトル11勝という驚くべき成績を上げた。

「・(リオ五輪からわずか1年前に)引退するのは少し残念だが、受け入れる以外の選択肢はない。」

・この新年には(故郷の湖北省)武漢に帰り治療に専念するとのこと。
・今後の予定については「自分はバドを今も愛しているので、今後もバドに関わる仕事がしたい」。

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[主な戦績]
2011年、2013年世界選手権優勝。
2010年、2014年世界選手権準優勝。
SSいっぱい優勝。
ユーバー杯、スディルマン杯、アジア大会団体優勝。
ん、2012年のロンドン五輪は…?あっ、失格ね…。

2011年世界選手権(ロンドン)
決勝 ワン・シャオリー/ユー・ヤン(中国)vsティアン・チン/ツァオ・ユンレイ(中国)


2013年世界選手権(広州)
決勝 ワン・シャオリ/ユ・ヤン(中国)vsオム・ハイウォン/ジャン・イェナ(韓国)


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 またスコットランドのイモジェン・バンキヤー(XD、クリス・アドコックと組み2011年世界選手権準優勝)が引退とのこと。

Bankier latest to hang up racquet  - Badzine 2015-12-25

2011年世界選手権(ロンドン) 準決勝
クリス・アドコック/イモジェン・バンキヤー(イングランド/スコットランド)
vs タントウィ・アーマド/リリアナ・ナッチル(インドネシア)



2011年世界選手権(ロンドン) 決勝
クリス・アドコック/イモジェン・バンキヤー(イングランド/スコットランド)
vs ツァン・ナン/ツァオ・ユンレイ(中国)


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みなさんお疲れ様でした。

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